創業者エドワード・ブリストルの思い出話やつれづれ。

水路と壁

 

バンコクの我が家は大きなコンパウンド・集合住宅地の中のある行き止まりにありました。その住宅地はさらに大きなスラム街に接していましたが、有刺鉄線が天辺に張られた高い塀で囲まれており、私たちとスラム街は完全に分けられていました。

 

その塀によって行き止まりになっていることで人通りが少なく、我が家の雰囲気は居心地よかったので個人的には好きでしたが、塀のあからさまな有様はセキュリティーを正当化するように思えないものでした。

塀の向こう側での人生での重荷や幸せは私たちとそう変わらないでしょうし、実際彼らはこちら側で暮らしている風変わりな外国人のことなど気にしていないのです。

 

今回は犯罪ではなく、その塀の向こう側で起こった最悪の出来事の話です。

 

大都市バンコクは広大な湿地帯の上にあります。都市を作るにあたり、すべての細流にいたるまで水の流れる場所はくまなく掘りさげられてコンクリートで固められました。そのため現在のバンコクの水路と河川は陸の生き物にとってもっとも危険な場所になりました。水路や河川には高い堤防がついていて、それはねずみさえ登ることもできないほど急で滑りやすいのです。

 

そのような水路は私たちの住宅地の高い塀のすぐ後ろにありました。暗くてごみがたくさんたまっていて悪臭のする痛ましい光景ですが、バンコクでは普通です。

 

この家に引っ越してまもなくの夜、私は叫び声と水しぶきの音で飛び起きました。私は家の上の階の窓で水路が見えるところに走りました。

犬が水路に落ちていました。犬は犬掻きで行ったり来たりしながら水路から抜け出るところを探しています。そして数秒ごとに胸が張り裂けそうな声で鳴き叫びます。

 

犬はごみでできた小島に空しく這い上がろうとしましたが、足をかけたところはすぐに深く沈みこみ、彼の周りだけ輪のように盛り上がります。私は先日漂っていた冷蔵庫を思い出し、見渡しましたがすでにありません。

 

ひどい鳴き声につられて私の飼い犬たちも鳴き始め、熟睡していた妻も起きてきました。何がおきているかを見たとたん、妻は泣き出してしまいました。私は妻を抱き寄せました。その蒸し暑さにもかかわらず震えています。午前2時か3時であったに違いありませんが、バンコクはまだスチームサウナのようでした。

 

かなしいことですが発展途上国に長く住んでいると苦しみを目にするのになれてしまうこともあります。でも少なくとも何か試せることがある限り、私はただ見ているだけではいられません。

 

住宅地と外界を隔てる壁は高すぎて上れません。たとえはしごをかけても壁の上には有刺鉄線が張られています。

犬は小さな命の限り鳴き叫びながら必死で水をかいています。

 

私はスニーカーを掴んで走り出しました。最初の1,2キロは壁とは反対方向、スクンビット通り(バンコクの動脈のひとつ、8車線の交通量の多い道路)に向かって走りました。スクンビット通りに出ると右へ曲がり、最初の大きな交差点に向かいます。

 

すごく急ぎました。正しい任務のため走っていると感じて前向きでした。実際は20キロものオーバーウェイトでそう早くもはしれなかったのですが。

大型トラックや車はクラクションを鳴らしてきます。暗闇の中を頭のおかしな外国人がパジャマとスニーカー姿で必死の形相で走っているのです。

 

大きな交差点で私は右に曲がりました。そこはスクンビット通りより少し小さい4車線の道路です。そしてそこからさらに右に曲がります。すなわち私たちの住宅地の周りを広い円をかくように走って、ようやく我が家の壁の裏側の水路にかかる橋までたどり着きました。橋を渡って住宅地との壁のすぐ脇に、人ひとり歩けるくらいの小さな道がありました。

私が我が家の裏についた時、妻は水路を見ることができる木に登っていました。

 

犬はまだ生きていましたが、鳴き声の合間にはゴボゴボいっています。彼は登ろうとして壁をかきむしっていましたが、そこは滑りやすい苔が生えています。私は腹ばいになり土手から身を乗り出しました。

 

私を見ると、犬はきしむように鳴いて逃げようとしました。彼は典型的な中型のストリートドッグでした。決まった飼い主はない半野良で人に対して用心深いのです。

私は彼の首あたりを掴み引っ張りあげました。彼はこんな状態の時でさえ自分の命を守ろうとして私の手首に噛み付きました。今度は私が泣き叫ぶ番です。そして私は彼を空中に放り投げるように放してしまいました。

 

犬は壁にぶつかって、幸運にも壁のすぐ横の小さい道に落ちました。

 

一瞬私と犬はお互いを見つめました。私は運動不足からの激しい息切れ、彼は怯えていました。

 

次に彼は走り出そうとして・・・・、また水路に落ちてしまったのです!

彼は水をかきながらもう一度鳴き叫ぶことになりました。

 

私はかなり滅入っていましたが、木の上の妻はそうではありません。

一度学んだので、今度は犬の尻尾を掴み逆さまに引き上げて、かまれないよう振って安全なところにおろしました。私は尻尾が切れてしまうのではないかと心配でしたが何とかもちこたえました。彼のようなストリートドッグはタフな輩です。

 

私が尻尾を放すと同時に、彼は暗闇の小道に姿をけしました。もう水しぶきの音はしません。彼もまた学んだことでしょう。

そしておそらく彼は水だけでなく、バンコクでまことしやかにささやかれる犬食い(すべてのバンコク野良子犬の悪夢!)からも逃れたと感じているはずです。

私はひとり泥だらけで残され、出血しながら激しく息切れしていました。

お礼を言ってもらえるなどと期待するものではありません。

 

しかしながら、妻にとっては私は英雄でした。家に帰るとビールで迎えられ、何度も抱きしめられました。

 

次の日、私は住宅地の壁の非常口の錠前を叩き壊し(もちろん開けるための鍵などなかったのです!ああ、非常口!)、水路側に出られるようにしました。そして釣具店でおおきな網を買いました。

 

我が家では定期的にオオトカゲ、鳥、猫などを水路から救い出しました。でもほとんどは犬、それも子犬でした。彼らはただ愚かすぎるのです。

また、我が家では我らの愛犬が水路を警備するための見張り塔を設置しました。(写真)

何かが水路に落ちると愛犬は吠えて知らせます。そして私たちは網を用意するのです。

 

エドワード・ブリストル

フェアトレード - グローバル化はすばらしい

 

グローバルエコノミーは独裁者を作りません。戦争も引き起こしません。逆に人々を貧困から救い上げることができますし、熱帯雨林を守ることだってできるでしょう。 『もし』 わたしたちが本当にそれを望めば、の話ですが・・・。

 

先ごろわたしはプノンペンのロシアン・マーケットというところを訪れました。貧しいカンボジアのチープな品物を売る場所です。ロシア人が商売をしているわけではありませんよ。

 

そこでもグローバル化ははっきりとした形で見られます。

 

わたしは西洋人グループが小さな木製の犬の置物の値段交渉を行っている場面に出くわし、立ち聞きしました。

 

カンボジア人の売り子の女性は 『3ドルです。』 と価格を提示しました。

 

それを聞くなり西洋人グループは失望したような唸り声を上げて、『あっちでさっき同じような置物が1ドル50セントだったわ。ほら、あそこよ!』 と、言って移動しようとしました。

 

カンボジア人の売り子の女性はためらいながら、彼女の売り物の木の質の良さと、商売に利益が必要な旨を説明しました。そしてマホガニー製の犬の置物はついに2ドルで売れたのです。彼女は幸せそうには見えませんでした。でも彼女は今日のランチのための現金がどうしても必要だったのです。

 

取引がうまく行って自己満足でいっぱいのわれらがワールドトラベラー、ポケットの中の犬の置物、2ドル。これでカバーされるべきは、使われた木が成長するために要した世紀に近い年月、置物を作り上げるまでにかかわった労働者達の賃金、売り子のランチ代。

 

しかし2ドルでどうやってカンボジア人女性や熱帯雨林を救えるのでしょう。いいえ、救えるわけはありません。

 

その後ホテルで、わたしはあの西洋人旅行者達が大酒を飲んでいるのを見ました。1本3ドルの輸入ビール。彼らは本当に何も知らない人たちなのだ、ということにしておきましょう。

あの犬の置物は失われつつあるカンボジアの熱帯雨林の一部でした。無計画な伐木搬出のおかげで森林には回復不可能な破壊のあとが残され、土壌は衰えています。そこにすむ生物の多様性は縮小され、さらに洪水や河川氾濫がおこりやすくなります。そして熱帯雨林は荒地へ変わっていきます。

 

こんなことは今日誰もが知っていることですね。

 

西洋や日本ではこれらについてすでに効果が証明されている対応策があります。

 

森林管理や野生生物保護、および再植林を持続的におこなっていくことによって、ヨーロッパには過去のように、森林が再び成長してきています。

 

しかしカンボジア人の女性にあの2ドルで熱帯雨林保護を考えるのを期待するべきではありません。それから賢明な政府や大企業があらわれて何かしてくれるのを待っていてもいけません。彼らはお金をもらえるだけのことしかしないのですから。

 

わたしたちが価値ある資源に対して充分な代価を支払えば、森林破壊は単に止めることができるのです。たった2ドルでは、古い丸太だけを選んでジャングルから運び出すためのヘリコプターを使うことが出来ません。たった2ドルからは、よりよい労働条件を整えるための収益が上がりません。そして森林再生のための費用なんて もちろん残るわけもありません。漁獲や宝石採掘などその他の地球規模産業についても同じ理論があてはまります。

 

あの小さな犬の置物は象徴的な意味を持っていて、グローバル化のあってはならない姿を明確にあらわしています。発展途上国から最後の数円をギリギリと絞りとるような行為は好ましくありません。

 

知識や経験に基づいて推測すれば、あの小さなマホガニーの犬には20ドル(約2300円)以上の価値があります。もしそういった現実にかかる費用を含んだ代価が素直に支払えないのならば、あなたにとってそれは必要のないものだと思いますよ。

 

グローバル化を進めるのはわたしたち自身、他の誰でもありません。

 

わたしたちそれぞれの行動が重要なのです。

 

 

エドワード・ブリストル

 

途上国にて

 

外国人がガーナやベネズエラ、スリランカなどの土地で事業を始める。その国に熱烈な恋をしたか、その土地の人間と恋に落ちたかが主な理由だ。

 

どちらも正当な出発点だが、始めてほどなくささやかなアメニティが恋しくなってくるのも事実。たとえば新鮮なチーズやベーカリー、おさしみなど。映画館にも行きたい。信頼の置ける配管工もぜひほしい。

郵便書留一通送り出すのも半日がかり、電気代を支払うのは現地の人にもちょっとしたチャレンジになるほどわかりにくい。

交通状況もくせものだ。ドイツの高速道路並みに大型トラックが猛スピードでレースをしているかと思えば、次の交差点からは渋滞で1センチも動かない。

 

しかし寒い国で定年退職を待ってこつこつ働いているかわりに、もっと特別なことをしているのだ、という気持ちは、これらを越えるのかもしれない。

 

しかし正直なところ、ほんとうにそれでいいのか分からなくなるようなときも多いのだ。

私はコロンボ市内で数少ない住宅地の中の家にブロードバンド、当時は革命的な512kbitの高速通信回線を引いた。 私は自分のビジネスがグローバルコミュニケーションの力と繋がったことが本当に嬉しかったし、感激した。意志あるところに道がある。そう信じていたのだ。

 

翌週私たちの隣人は3台のチェーンソーの広範囲な使用を含む新しいビジネスを始めた。ノンストップ、夜明けから真夜中まで休日なし。もちろんクリスマスも年末年始もチェーンソーは鳴り響く。

 

そして私のブロードバンドといえば15kbit とまるで死んだように遅い。これはホットメールも開けない速度だ。

 

テレコムに連絡するもチェーンソーの爆音のおかげで 私は自分の怒鳴り声さえも聞こえない。3日後(!)やっとテレコムの緊急サポートが到着した。配電盤から我が家へつながる電話線に引っかかっているコウモリとカラスの死骸が原因とのこと。それを取り払ったがもちろん速度は変わらない。

 

次にテレコム緊急サポートは私のモデムが悪いと言い出した。しかしモデムを交換しアップグレードをしても速度は変わらない。

 

そのうち私は気がついた。真夜中から明け方までは速度がぐんと上がるのだ。モデム販売者は言った。『チェーンソーが通信を妨害してるんだよ。』

 

チェーンソー!?

 

私の35年のハイテク生活による知識から考えれば、そんなことは単純にありえない。それでも私はチェーンソーの妨害を受けないモデルを探すのに奔走した。神経が破壊されるような努力の一週間後、速度はささやかに17kbit にアップした。

 

私の忍耐は限界に達し、もはや禅や仏教的教えにすがっても平成を保てなくなった。私の神経とビジネスモデルは隣人のチェーンソーできりきざまれたのだから。

 

ついに私は隣人を訪ねることにした。最高の笑顔と最高の地酒アラックをたずさえ、もしチェーンソーを止めてくれたら永遠の友情と充分な謝礼を差し上げると申し出た。隣人は非難されたと思ったのかとたんに腹を立て、私はひどく不安になってしまい、警察を呼ぼうと提案した。

 

驚いたことに隣人は同意した!

『いいね!警察を呼ぼうじゃないか。』

 

3時間後軍曹(?)がやってきた。薄汚れた制服ででっぷりと体格のいい軍曹は、酒で赤くよどんだ目で私を睨み付ける。

 

私はとたんにものすごく気分が悪くなったが諦めはしなかった。決然とし、理論的に友好的に、分別をわきまえて状況を説明した。私が正しい要求をしていることは誰の目にも明らかだったはずだ。住宅街で始終チェーンソーが鳴り響くのは許されない。

 

私の説明中軍曹は一言も発しない。説明が終わると軍曹はゆっくり隣人に向き直りシンハラ語で談笑を始めた。

 

私のシンハラ語の理解力で分かったことは軍曹と隣人は親戚同士ということだ。

 

静かで涼しい土地にオフィスを持ちたいとこの時ほど熱望したことはない。

 

次の家を探している間、真夜中から明け方までが私の仕事時間となった。

こんどの家は海岸沿いあたりがいいな、と思っているのだが、どうだろう・・・。

 

エドワード・ブリストル

Ebay は中立なのか

 

ティファニーは 偽造品が売りさばかれているにもかかわらずそれを容認し、そこから多大な利益を得ていたとしてEbayを訴えた。

ウェブ上のオークション市場主催者の責任問題を問うこのティファニーの主張は今後の大きな宿題となりうるだろう。Ebay式のビジネスモデルは危険にさらされたが、それは正しいと思っている。

 

ティファニー側の調査によると Ebay 上でティファニーの商標で出品されている約75%(!)が明らかに偽物であったという。宝石セクションではさらに高い割合が予想される。

 

 

ブランドグッズが本物かどうかを見極めるより 宝石を見極めるほうがはるかに困難であることは明確だ。誠実な人々が Ebay を利用していることも事実だが、Ebay 上に出品されているおおかたの宝石は怪しく匂う。

 

高額商品はある面ビジネスとして成立する。反面小さな不幸に見舞われた多くの購買者は泣き寝入りを強いられる場合が多い。

 

 

返品条約はあるが20USドルで買った石が気に入らなかった場合、返送料に5ドル、再度出品のためのコストに10ドルかかる。更に包装して送る手間があるとすれば誰が実際行うだろう。

 

そうして買い手は嫌気がさし、ついにウェブ上の宝石には手を出さなくなる。

 

 

わたしはティファニーの主張が勝利することを望む。そうすれば Ebay は少なくともこのような苦情をもっと真剣に受け止めなくてはならなくなる。

 

Ebay は 彼らが抱える出品のどのカテゴリーについても専門的なわけではなく、ウェブサイト運営を専門として中立の立場に存在していると主張する。もっともな意見ではあるが、明らかに紛らわしい出品物をチェックするステップを設ける余裕があったのも関わらず、買い手から詐欺まがい疑惑の苦情があっても、単純に無視してきたのは事実だ。

買い手より出品者に重きを置いたビジネススタイルであるため、Ebay はそんなことは単純にやりたくなかったというだけのこと。

 

これは中立とはいえない。

 

 

エドワード・ブリストル

宝石はタミルタイガーを救うか?

 

タミルタイガー側は 彼らが戦いを始めた理由として 当時急成長中のスリランカ経済への参加の妨害を理由に挙げていた。

 

宝石産業に関して言えば 伝統的にタミル人は宝石トレードにはそれほど関わってきていない事実がある。これはシンハラ人側による人種差別ではなく単純に地質学的状況が関係している。スリランカの80%に当たる地域が宝石を含む地質と言われるが、タミルタイガーエリアのあるスリランカ東北部はそれほど著しい採掘量や質に恵まれた土地ではない。

 

その他の事情に関してはタミルタイガーの言い分にも分がある。25年前、西海岸から東海岸へ向けて車を走らせるにつれ、道路や公共インフラの状況は確実に悪化していたのをはっきり覚えている。しかしシンハラ人側はそもそもタミル人の怠惰な性質が原因でそうなったのだから(その事実はない)、テロや自爆攻撃などに及ぶのはもってのほかだ、という見解だ。

 

『タミルタイガーエリアで宝石が採出されなかったのは幸運だった』 と言えるのかもしれない。今日タミルタイガーの資金が底をついたことは何よりの吉報だからだ。

子供さえ兵士に募集するのに充分な資金もなく(これは最も安上がりな兵士調達法)、もちろん新しく精巧な武器を調達することは到底無理だから地雷を使い始めるが、地雷を埋めた土地も政府軍基地もろとも津波で流され資金投入の意味も日の目を見ることはなくなった。深く病んだこの団体が今やっていることは死に際の悪あがきに等しい。

 

スリランカの内戦は既にその理由や方向性、あるいは目的を完全に見失っている。今やタミルタイガーのテロ行為はただの自己表現のひとつの形、もしくはインド洋の小さな島の崩壊した東側の地区でどうにかして注目をあつめるための方法となっている。平和な生活を願う普通のタミル人達にとって深く大きな悲しみであるのはいうまでもないのだが、だからと言って彼らは発言するには怯えすぎてしまった。

 

当時シンハラ人が定めた制度にタミル人が反発する充分な理由があったことは確かだと思うが、暴力が望ましい結果を生み出さなかったのは明らかで、事実国を破滅に導いた。近隣のシンガポールやタイ、韓国は自給自足の経済環境を築きあげている間、スリランカは西側諸国からの経済援助に甘え堕落した。太陽や雨、豊富な自然や天然資源に恵まれているというのに、今やスリランカは外国からの援助なしに自国の人々を養うことができないし、巨大に膨らんだ貿易赤字の返済のめどもない。

 

東側ではアルコール問題が拡大している。20年以上の隔離と恐怖の中の地元タミル人達のただひとつの楽しみはアラックか質の悪い密造酒 『 toddy 』だけだ。またタミルタイガーの残りわずかな勇気を奮い立たせるためにもこれらのアルコールが燃料となる。

 

国側とすればタミルタイガーエリアで宝石が取れないことはまことに幸運なはずだ。

不法採掘の取り締まりの強化や採掘による自然破壊を心配するのは非常に大切なことだが、政府はそれより先に解決しなくてはいけない内戦を抱えていることを忘れてはいけない。

 

事態はまた悪化している。

 

エドワード・ブリストル

(注:スリランカ内戦は 2009年に終結宣言が出された。)